「終の棲家」という考えは不動産購入時に不要?!

コロナ禍となり、賃貸から購入を検討されている方も増えていると思います。現在、主要都市を中心に、不動産の物不足状態が続いていますので、「なかなか良い物件がない・・・」と嘆かれている方もいるのではないでしょうか?

さて、不動産購入を検討する際に「終の棲家」という考えが頭をよぎる方も多いかと思います。つい先日も、不動産購入を検討する事をし始めましたが「一生に一度の不動産購入(=終の棲家)」と思いながら家探しをされている方の相談を受けました。お話をお聴きすると、今まで転勤も多かったので、賃貸暮らし、50歳手前で不動産購入を検討し始めたようです。

■「終の棲家」という考えを持って不動産と向き合う?!賃貸と売買の違いについて

そもそも「自宅は買わなきゃいけないもの」と思っている人は多いのではないでしょうか。自宅を購入すべき理由をいくつか整理してみますと、賃貸暮らしにはいくつかのメリットがあります。最大のメリットは「気軽に住み替えられる」ということだと思います。年収の増減、特に下がったとき「家賃の低いところに住み替える」という選択肢があるのは賃貸の方が気軽に変更が出来ます。しかし、自宅を購入された際にもその選択肢が無いわけではありません。一方、デメリットもあります。それは「永遠に家賃を払い続ける」ということです。老後になって年金生活となった場合でも確実に発生する家賃というコストは無視できません。公的年金は終身受給できる大きな生活の支えですが、金額の水準を見ると、日常生活のやりくりをできる水準ではあっても「家賃手当」相当の額は含まれていないことが分かります。つまりは、賃貸暮らしで生活をし続ける際には、老後資金「2000万円」という貯蓄も必要となる事も一般的には言われたりします。

■賃貸暮らしで生活をし続ける際には、老後資金「2000万円」という貯蓄が必要な理由

生涯賃貸を選択した場合、家賃は生きる限り発生する固定費なので「老後の家賃」をしっかりためてからリタイアする必要があります。例えば65歳で引退、90歳まで暮らすと仮定し、月6万円のシンプルな部屋に住む事を前提に考えます。65歳で用意すべき家賃総額はなんと1800万円です。更新料や家賃保証料などを含むと2000万円程度は考えておいたほうがいいでしょう。「老後の家賃2000万円問題」なのです。

■お勧めする「資産」となる不動産購入の仕方について

お勧めしているのは「いつでも資産化できる家の買い方」です。良く賃貸より、売買で購入すると「任意売却」「競売」といった家を取られ、多額の住宅ローンだけ支払わされると思っている負の側面だけを見ている方がいます。しかし、不動産については購入代金-売却代金が大きくマイナスとなる(多額のローン残高が残る)買い方だと、普通の人には家は何回も買うことができません。ですが、売却代金でローン残高が0になる買い方であれば、家(住宅ローン)という呪縛から解き放たれ、自由な選択が可能です。後者の不動産購入がお勧めしています。

子育てのために買った家は、子育てが終わったら過剰スペックとなり、子供部屋はまったく使っていないというご自宅も多いかと思います。つまりは持て余す家に住み続け、老後の資金が必要な際に捻出が出来ずにいるといった方も多くいます。上記の「終の棲家」といった考えが足かせとなるケースもありますので、個人的には自分のライフスタイルに合わせて、住み替えが出来るような余力を持った不動産購入も一つの選択肢ではないでしょうか?

ぜひ、今後の不動産購入の参考にお役立て下さい。